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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説08『あなたの隣』
前作のかがみ視点




『デート』とは? と、みゆきに聞いてみた。

「デート……ですか。名詞扱いならば「年月日」「期日」「時代」や「物事の始まりと終わりの年」という意味もあります。
 それと世間一般的に使われる「恋人同士が遊ぶこと」もですね。
 ちょっと変わったところでいけば「ナツメヤシの実」という意味もありますよ。あと、豪俗では――」

長くなったので割愛させてもらう。ごめんみゆき。
というより、それより先の意味を私は一生使わないと思う。

ともかく。
祝・初デートと浮つく気分と、何をすればいいのかと狼狽する気分とで私は混乱していた。
ただいつもの様に制服を着たままの寄り道とはいえ、念願叶ったら心が軽いというか。
……調子に乗って何をしでかすか自分でも分からないというか。
自重しろ、がんばれ理性とか意味の分からない活を入れながらこなたと歩いていた。
こなたも緊張しているのか会話も進まず、視線もあわせることが出来ない。
どうしようと考えている間にも時間は過ぎて

 

「目当てのもの買っちゃったけど……これからどうする?」

あっという間に小説を買うという目的は済ませてしまった。
カバンの中に買ったばかりの小説を入れて訊ねると、聞かれると思っていなかったのか考えていなかったのか。
何で私に聞くの?と不思議そうに少し首を傾げた。

「んー……とにかく歩いてみる? 特に行きたいとこもないし」
「……そうね」

「私の家にテイクアウト」何て言えるはずも無い。というか、そういう思考はなるべく無視した。
少し首を傾げるという小動物っぽい行動を見ると頭を撫でたくなる。
が、意味もなく撫でたり抱きついたりすることは自制した。
したけどこなたをずっと見続けることも出来ずにそのまま早足で歩く。
こなたの足音が後方から聞こえる。勝手に早歩きで進んでしまっている私の後を付いてきてくれるのがすごくありがたい。
幸福ボケというか、今の私は頭のネジが緩んでるんじゃないだろうか。
触れたい。手を繋ぐ……ぐらいなら、ばれないだろうし大丈夫だと思いたい。
軽く息を吸い込んで心を落ち着かせる。手を軽く動かして準備運動。

 

うん、手を繋いでもバチはあたらないわよね、と自分の理性を納得させた

 

流石に手探りで後ろのこなたの手を取るなんて無理だから、振り向いて聞いてみよう。
手でも繋ごうか? と、普通に訊ねたら恥ずかしいことなんてない。きっとない。
なるべく笑顔で平静を装う。

「ねぇこなた」
「ぅわっ!?」

振り向いたら明らかに「しまった!」という顔をしているこなたがいて。
何で? と思っていたら指先に微かな圧力を感じた。
視線の中に入っている私の手には、こなたが私より小さな手で指先を握っていて。
こなたも私と同じ事を思っていたくれたのかと思うと……

一気に顔が沸騰した。

「あ、あの……こな、た?」

顔の熱さが伝染したのか、こなたの肌も上気して淡く染まる。
赤くなった後は訳のわからない言葉を発して、ようやく落ち着いたのか息を軽く吸ってこう言った。

「テ、てトカつなゴウッ!」

えっと、うん。
言葉の羅列で考えると意味は分かるんだけど、その裏返り方はすごいわね。
一生懸命さが伝わって可愛い、というよりそこまでしてくれてありがとうという感謝の念と欲望とが。
入り混じって一瞬思考停止。
すぐにハッと気がついて手を繋ぎ返そうとしたけど、周りの視線を感じた。
もしかして、もしかしなくても注目されてる?
ここにいたらやばい。こんな往来で、学校と同じように私が暴走したらとてつもなくやばい。
なるべく人通りが少ないところへ! と思っていたあたり冷静だったのか暴走していたのか分からない。
咄嗟にこなたの手を掴んで一気に走り出した。
「うわっ!」と小さな悲鳴が聞こえたけど、ぶっ飛んだ私の頭には止まるという選択肢があるはずがない。

「ど、どこに行ってんの!?」
「とりあえず走る! ここから逃げる! 周りの目が……っ!」

人の間を、視線が重量を伴っているならそれすらも避けるように走り抜ける。
驚いた通行人の瞳や、興味でこっちを見ている通行人の瞳。
結局、走っても走らなくても結果は同じだ。
でも走ったから勢いで手を繋いぐことが出来たのなら結果オーライかもしれない。
いきなり走り出して、こなたには悪いかもしれないけど楽しかった。
後ろを走っていたこなたがジャンプしてきて私の隣へと着地し、並走する。
こなたも妙に楽しげに笑っていて、益々頬が緩むのを自覚した。
結構な距離を走った後、ゆっくりと速度を落として立ち止まる。
まだ繋いでいたいというのが本音だったけど、一気に恥ずかしくなって笑いながら手を離した。

「……ちょっと休憩するか」
「そだね。走ったから疲れたよ」

責められてる訳じゃないんだけど、罪悪感が湧いてくる。
走って逃げた理由が「人前で襲わないため」だから……そりゃ罪悪感も湧くわ。

偶然だけど、立ち止まった場所は小さな公園の前だった。
滑り台とブランコだけがある、なんだか懐かしさを感じるような公園。
道路を挟んだ反対側に自販機があり、そこで同じスポーツドリンクを買ってブランコに座った。
公園の端に植えられた大きな木がちょうどブランコの部分を日陰にして、少し風が吹くと気持ちいい。
今の子供って外じゃなくて家で遊んだりするから体力がない、なんて思ってたけど。
正直、今だけはこの公園に人が居なくてよかったと感謝した。
時折自前の小さなカゴをもったおばさんが公園の前を横切るけどこっちを注意している感じはない。
スポーツドリンクのキャップをあけて一口飲むと、暴走したりして熱くなっていた体に染み渡った。

「かがみはさ」
「ん?」

隣のブランコに乗っているこなたの問い掛けに反応すると、乗っているブランコが微かな音を立てた。
金属と金属がこすれ合う独特の音で、前は苦手で鳥肌が立っていた音だけど今は全然そんなことはなかった。
こなたは両手でドリンクのアルミ缶を持って、それをじっと見ている。

「何で私を好きになったの?」
「うわ、そりゃまた直球ね……」

どう言うべきか、とドリンクのキャップをしめて地面に置く。
すぐにどう伝えるかは決まったけど、何となく考え込んでいる振りをした。
らしくないかもとすぐにそのポーズを止めてこなたを見る。
そして恥ずかしさを笑顔で押し殺して伝えてやった。

「まぁ、考え込まなくてもいいんだけどね。理由なんて簡単。好きだから好き」

半目の瞳が一気に開かれた。
てっきりこういう直球の答えを予想してたと思ってたのに、その反応は私の予想以上だった。
絶対こいつは自分に向けられる好意に、それと自分の危機に対して疎い。
もっと自分は好かれていると自信を持ってもいいだろうし……警戒心も持ってくれ。頼むから。
そんな私の無責任な責任転嫁を知らずに、こなたはドリンクを慌てて飲んでいた。
照れてるなと確信した私は少し強気に出てみる。

「どういうところが好きかは……そうね、やっぱり一緒に居ると楽しいし飽きないしね。
 マニアックなネタまでは流石に突っ込みきれないけど私以外にあんたの会話についてこれる人はそうそういないって」

流石に突っ込みがくるか……?と思っていたらさっきより上気した顔で口だけを動かしてこっちを見て、すぐにアルミ缶を見て。
次にアルミ缶を頬に当てたりしていたから、その反応が伝染してこっちまで恥ずかしくなる。
なんだろうか、このループは。

恋人というのは、この不思議な空気をどうやって対処していくべきなのだろう。
経験0の私達が分かるわけがない。……こなたはギャルゲとかで知ってるかもしれないけど、あれはやっぱゲームでのことだし。
現実にこういうことが聞ける相手は、はっきり言って一人しか居ない。
うん、今度峰岸に「付き合ったら何すればいい?」とか聞いてみよう。
また少し警戒されたりするかもしれないし……いや、この訊ね方だとやっぱり惚気話になりそうだ。
なら……お父さんとお母さんに聞いてみようか。って出来るわけがない。
とくにお母さんからは「好きな人が出来たの?」とか追及されそうだし、二人の姉も面白がって聞いてきそうだし。
とすれば、やっぱりこういう事が聞けるのは峰岸ぐらいか。さりげなく聞いてみて勉強しよう。
なんて考えていたら、急に背後から手が伸びてきて背中にトンっと衝撃が来た。
前に回された手と、体温と、視界の端に入った青い髪で理解する。

「ふ、ぁっ!? こなた!?」

いきなり抱きついてくるのは何事ですかっ!?
流石に驚いていると、こなたは私の左肩に顎を置いて体重をかけてきた。
二人分の体重を支えているブランコの鎖が濁点の付いた軋みをあげる。

「ボーっとしてるバツだよ」

拗ねたように呟かれた言葉に、もしかして話しかけられたけど気づかなかったりしたんだろうかと考える。
悪いとは思うけど、ダメだ。微笑んでしまう。

「……バツにならないんだけどねー、これじゃ」

前に回された手に、自分の手をそっと重ねる。
握り締めるまではしないけど、さっきまで繋いでいた小さな手を逃がさないように。

「何考えてたの?」
「え?」
「……呼んでも気づいてくれなかった」

ああ、やっぱりそうだったんだ。
どうしてもニヤケが取れなくて、慌ててごめんと言ってもまだ拗ねているのが気配で分かった。

「こなたって……結構寂しがりや?」
「かがみほどじゃないよ。かがみはうさぎだもんね~」
「またそのネタかっ!!」

まぁ、事実寂しいのだけど。
寂しいと言うか物足りないというか……そう、これはつまり。

「私はうさぎじゃなくて、病気なのよ」

重ねた手を握り締め、私もこなたの方に体重を軽くかけてお互いに支えるようにする。
「病気?」と聞き返されて私はわざと冗談っぽく言った。

「病名は……そう、こなた症候群ってところね」
「えーっと、それはだんだんオタクになっていくっていうような病気ですか?」
「あんたそれ自分でいうか……」

自分でオタクだっていうことは認識してるとはいえ、自分の名前が入った病気をそういう扱いかよ。
なんとなく、らしいなと思いながら左手で肩に顎を乗せているこなたの左頬に触れた。

「症状は、こなたに触れないと禁断症状がでる……ってことでどう?」
「いや、どう?って言われても……」

困惑したように呟いているすきに、指を首筋へと移動させる。
走ったときに汗をかいたのかしっとりと濡れた感覚が指から伝わってきた。
血液が体中に送られるのを認識する。こなたの吐息が耳に当たってゾワっと脊髄を何かが通り抜ける。
重ねた手は少し震えていた。

「一緒に居ると楽しい。こうしてると心臓はすごく脈打ってるのに落ち着く。つまりこなたが一番の薬」

そう。でも……薬は毒と紙一重。
『こなた』という薬を手に入れて、触れて、症状が治まったとしても。
依存してしまい、しばらくしたらますます酷い禁断症状が発生しそうだ。
今はまだ、隣で歩くだけで満足、手を繋ぐだけで満足している。
それで満足できるのは一体いつまでだろう。
きっとすぐに薬が足りなくなる。もっと欲しくなる。

「こなた?」

静かに暴走していく感情を見てみぬ振りをして呼びかける。
こなたが顎を浮かせて、私の耳に少しだけ吐息がかかった。
くすぐったさと、形容しがたい何かとで、なんだろうかと疑問を感じるその刹那。

 

 

 

「大好きだよ」

 


耳元で、本当に小さく囁かれたのはたった六文字の言葉。文字にするとたったの五文字。
片手で足りる言葉だし、学校での行為に比べたらプラトニック甚だしいけど。
最愛の人に言われて、嬉しくないことがあるだろうか。
鼓膜を震わせたその言葉は脳に伝わり、微弱な電気となって体中を駆け巡る。
すとん、と心の中に入ってきたその言葉が心臓を一際高く鳴らした。
勝手に脳内で録音してしまったのか、頭の中にこだまするさっきの言葉。
心臓が駆け出した。

 

結局私は、こいつには一生敵わない。

 

「なっ……あ、ぁっ!」

恥ずかしさと、熱さと、嬉しさと。
何て言っていいか分からないごちゃ混ぜの感情が沸きあがってまともに言葉も出せやしない。
背中に感じていた体温が離れて、私がブランコから落ちそうになっている間にこなたは自分と私の分のドリンクを拾って走り出していた。
慌てて体勢を立て直して追いかけるとちゃんと公園の入り口で待ってくれていた。
ぐるっと一回転して私のほうを見る。

「こなたっ!」
「いーじゃん、仕返ししたって」
「……あれは仕返しじゃないって」

あれを仕返しと呼ぶのなら、むしろどんとこいと構えてやるのに。
「相変わらず振り回されっぱなしよ」と小さく呟くと、こなたはドリンクを差し出してきた。
あ、私の分かと礼を言って取ろうとすると、急に引っ込められて私の手は何もない場所を掴み。
マヌケな私の腕を軽く引っ張ってきた。
強制的に前かがみになり足に力を入れてこける事はなかったけど。


「んっ!?」

触れ合うだけの軽いキスに、塞がれているからという理由もあるけど言葉は出なかった。

一、二回目のキスは私は目を瞑ってしまっていたから分からなかったけど、三回目にして初めてキスしている時のこなたの顔を見ることが出来た。
学校の時とは逆で、私が目を開けてこなたが目を瞑っている。
閉じられた瞳と左目の下の泣きボクロ、やっぱりこいつも恥ずかしかったのか淡く染まった頬。

そっと離れていく体温を名残惜しいとは思ったけど、それを訴える術すら私には思いつかなかった。

「ひっかかった?」

悪戯成功! と照れながら笑っているこなた。
唇を押さえて感覚を反復しながら、癪だけど一回頷いた。

「そろそろ帰ろっか!」

顎を乗せて拗ねていた時とは大違いで、上機嫌なこなた。
まだ恥ずかしさはあるけれど、心臓だって早いけど。
この感覚は決して嫌じゃない。
だから私はこなたに手を伸ばした。さっきは出来なかったことをちゃんとするために。
それでも『ぽかん』としているこなたに説明もちゃんとするべきかと思い、拒否を認めない提案をした。

「手、繋ごう。さっきはちゃんと繋げなかったから」
「あ……うん」

こなたが、おずおずという擬音が聞こえそうなほどゆっくり私の手に自分の手を重ねた。
その後にドリンクを渡してくれたから、カバンの中に入れて家へと歩き出す。

隣を歩いてくれるこなたに感謝を。
手を繋いでくれるこなたに感謝を。
私と出会ってくれたこなたに心の底から感謝を。

そう言う意味を込めて軽く手を握り締めると、同じタイミングで握り締め返された。
お互い言葉にはしないで顔を見あわして笑う。

 

 

こなたが隣を歩いてくれることを、私は幸せだと思う。

ああ、こなたを好きになってよかった、と私は心の中で噛み締めた。

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