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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説304
『赤い糸切り』
かがみ←こなた←つかさ


色々と巻き込まれ事故





もしも私の周りに中学のクラスメートがいたならば、きっとこんな事にはならなかっただろう。
いたのなら、人の悪い噂はすぐに広まるものだから、私にこんなお願いをする人は出てこなかったはずだ。
例えばよくラノベであるような中二病的二つ名が。
中学時代の私の行動が原因で、赤い糸切りのこなた、みたいな二つ名が私にあったのなら。
私はこんな事を頼まれたりもしなかっただろうし、質の悪い罪悪感を覚えずにすんだ。



ここ数日、みんなと一緒の昼ご飯の時もあまり話さないし、授業の間の休み時間はゲンドウポーズで考え込むようにしている。
一度机に突っ伏していたら、つかさとみゆきさんに具合が悪いのかと心配されたからだ。
ゲンドウポーズも似たような気がするけど、ひとまず顔が見えていたらそこまで心配されないらしい。
それでも「大丈夫?」とか「お腹空いたんですか?」とか聞かれたけど。
頭に浮かんでいるのはかがみの顔。
でも、頭を巡るのは数日前に話しかけられた、同じクラスでもCクラスでもない、よく知らない男子の、なんで私に言ったんだか分からない頼み事。

なあ、お前って隣のクラスの柊と仲いいよな?
俺あいつの事ちょっと気になっててさ、色々聞いてほしい事があるんだけど頼める?

手洗いに行こうと思って教室を出た矢先の廊下で呼び止められて、誰だろうこの人と思った矢先のこのセリフ。
意味も、私に頼んだ理由も分からずに、ある種の思考停止に陥って、無意識にその人の顔を見上げて見つめた。
無意識だろうと、私が家族やかがみ達以外の人と目を合わせる事なんてほぼない。
クラスの人と話す時は相手の目を見ずに、なんとなく輪郭だけをフワっと認識しているだけだ。
だから、私が相手の目を見ているのに相手が私から視線を外しているというのも、ほとんどない事で。
なにやってるんだ私は、と。
冷静な自分が焦っている自分を、早く反応しろと内側で叫び出して「……え?」とだけ言って呟く事ができた。

い、いや、今すぐ告白するとかじゃないからな?
脈ありかどうかというか、探りというか……

私が返事をしないからか、相手は自ら墓穴を掘っていく。
ただ、その墓穴の掘り方は私にも砂がかかっているのだろうか、目の奥がズキズキと痛い。
ほぼ無反応な私を、ようやく相手が赤面した顔のまま見下ろした。
私は、そういう表情に覚えがある。
見た事があるとか、そういうのじゃなくて、そういう表情をする心境が分かるから。
だから断りたかったのに、それを認めたくない自分が「いいよ」と、嫌に冷めた声で応えていた。

応えてしまったその後、教室から離れて少しその人と話した。
なぜ私だったのか、と。
かがみと仲が良い人なら私じゃなくてもいいはずだ。
同じクラスの峰岸さんやみさきち、みゆきさん、もっと言ってしまえばつかさの方が適任だ。
だって双子の妹だ。突っ込んだ話は逆にしづらいのかもしれないけど、質問する機会も私より断然多いはず。
でも、その答えは、つかさは妹だから頼みづらい。
みゆきさんはちょっと話しかけづらい。
峰岸さんとみさきちに至っては「そもそもあいつらってそんなに仲良いの?」という酷すぎる言葉が返ってきた。
付き合いの長さで言えば断然あの二人の方が長いはずなんだけど。
結果「お前が一番頼みやすいし、話しかけやすかった」らしく、私に白羽の矢が立ったらしい。


だから、最近の頭痛は、その矢が頭には刺さりっぱなしだからに違いない。
そもそも、私は仲を取り持つなんて資格はないんだ。
昔、中学時代に友達の……魔法使いへの告白の手伝いを全然知らないクラスメートに頼まれた事がある。
その時は別になんて事はなかった。
よく……ってほどは無いけど、魔法使いとはクラスの中では一番話が合ったし、二人だけで話していた事もそれなりにある。
でも、ただそれだけ。
恋愛感情での好きとかはまず論外で考えた事もなかったし、別に私以外の人と遊んでいても構わなかった。
周りには、彼氏が取られてるよーなんて言ってからかってくる人もいたけれど。
最初こそ違うと一言否定していたものの、それすらめんどくさくなった私は反応もしなくなり、それからはからかわれなくなった。
そんな時だったと思う。

泉さんって--君と仲いいよね?

朝の出席でかろうじて苗字が分かるが性格は全く知らない、ただ挙動や声量で大人しいんだろうなと判断できるクラスメートの女子が昼休みに話しかけてきた。
頼まれたのか今回と同じように、脈ありかどうか確かめてほしい。
できれば付き合いたい、と思っていたのかどうかは分からないけど。
異性に対する「付き合いたい」ってのがどの程度の真剣さなのかなんて今でも理解できないし。
今でも分からない事を、中学時代の私が分かっているはずもなかった。
好きだとかが分からない、付き合うってのもなんのためなんだか。
だから私は頼まれた通りに。
頼まれた通りにしか、動かなかった。

あのさ、--さんの事好き?

授業の合間の休み時間。教室を出てトイレに行く人もいれば、僅かな時間でも他のクラスへ遊びに行くほど元気な人もいた。
でも大半は席から離れずに近くの人と談笑しているそんな時に、私は魔法使いの前まで行って、苗字だけ知っている女の子の方を指差しながら尋ねた。
結果が分からなかったわけじゃない。
多分、面倒だと思ったから手っ取り早く終わらせたかった。
それだけを優先して、相手の事なんかこれっぽっちも考えてなかった。
結果は言わずもがな。
ゲームやアニメで私と話が合う魔法使いが空気の読める人間なわけがない。
他の男子が女子に興味があったのか知らないけど、魔法使いはそういうの興味ないって知ってたから反応は考えうる中で最悪のもの。
あまつさえ教室の中で、当人だけじゃなく部外者の方が多い時に質問したんだから周りもザワザワと騒ぐのも当然で。
なのに私は、そりゃこうなるよ、と。
こうなるのが嫌なら自分で相手に言えばよかったんだよ、と。
人を好きになるって面倒だなぁ、と。
私を怒鳴りもせずにただただ泣く、私を頼った女の子を見て最低な事を思っていた。



「あんた、やっぱりこの頃元気ないわね」

昼休み、私の口数の少なさをかがみから指摘された。
前から指摘されてはいたけど、ついに俯いていた私の頬を掴んで目を合わせてくるという実力行使までされて、久し振りにかがみの目を見てしまい、頭に刺さったままの白羽の矢がズキズキ痛みを増し始める。
そして血液が顔へ集中していく感覚も襲ってきて、私はチョココロネを机に落とし慌ててかがみの手を振り払って距離をとった。
椅子に座った状態だったから、椅子の足とワックスがけされている床が擦れて嫌な音を立てる。

「ご、ごめんかがみ、ちょっとビックリして驚いたから」
「そ、そう。意味被ってるけど。驚かせて悪かったわね」

私が椅子を元に戻すと、身を乗り出していたかがみもちゃんと座り直して箸を持ち、弁当の卵焼きを頬張った。
私も机に落としてしまったチョココロネは袋に入れたままだったから少しチョコが袋に溢れたぐらいの被害ですんだが、そんな事より問題は私の表情だ。
私の顔は赤くなってないだろうか。
白羽の矢を立ててきた男子と同じ表情を見せてしまってはないだろうか。
……かがみにバレてはいないだろうか。
今までバレてないからこの程度でバレたりしないと分かっていても、この精神状況のままだと不安になる。

「こなちゃん、本当に大丈夫?」

つかさが心配してくれて、しっかりしなければと気合を入れて普段通りに気の抜けた笑顔を作った。
視界の中ではつかさの隣でみゆきさんも心配そうにしてくれている。
ああ、このままじゃダメだ。どうにかしないと。
早く、かがみに聞かないと。
言いたくないとか、タイミングが合わないからと先送りにしてても解決しない。
残りのチョココロネを一気に口に頬張り、牛乳で流し込み。

「かがみ、話があるんだけど、ちょっと廊下にいい?」

有無を言わせず、かがみの返事も聞かずに立ち上がった。
かがみの弁当はまだデザートのサクランボが残っていたけど、私の気合に圧されたのか「え? い、今?」と訝しがりがりながらもついて来てくれる。
教室から出て廊下に出るもここもそれなりに人が多い。
だからと言って屋上だとか、よくあるゲームイベントが起こりそうな場所は実際行く事はできないので手洗い場まで移動した。

「いきなりごめんね、かがみ」
「いや、いいけど……どうしたのよ」

今の私は中学時代とは違う。
いきなり教室の中、人の前でデリケートな質問はしない。
だって、それをしたら誰も良い思いをしない。
想いを適当に扱われるのは傷つくと知ってしまった。
あの時のあの女の子に対して私がしてしまった事の酷さを、今更理解した。

「あのさ……かがみは」

でも、こういう事の正解ってなんだろう。
言葉に詰まり俯く。
かがみは好きな人いる? と聞くべきか。
それとも、ーー君って知ってる? と聞くべきか。
私があの男子なら、どう聞いてもらいたいか考える。
私なら、私なら……私は。
そもそも、私は、かがみに、聞きたくない。

「ちょ、こなた? どうしたの?」

だって、聞いたらどうなる?
意外と乙女チックなかがみだ。
自分の事を好きな男子がいると聞いて、喜ぶだろう。
付き合う……とは思わない。想像できないから。したくないから。
かがみが誰かと付き合うのが嫌だ。
それで私との関係が変わる事はないだろう。
じゃあ何が嫌なのか。
そんなのはもう理解はしている。
白羽の矢を立ててきた男子が望むポジションに、私がいたいんだ。

「こなた!」

さっき私がチョココロネを落とした時みたいに、かがみが私の頬を両手で包んで上を向かせ、目を合わせてきた。
いつの間にか滲んでいた視界のすぐ向こうに、きっと心配そうなかがみがいる。

「……あたま、いたい」
「最近ずっと頭痛我慢してたわけ?」

違うのに頷いてしまった。
そしたら最後、聞こうと思っていた事は完全に聞く気がなくなってしまい、かがみが私の頭をポンポンと撫でる。

「ほら、保健室行くわよ。先生に言えば薬貰えるでしょ。それとも早退するぐらい痛い?」

首を横に振ると、わかった、と私の背中を撫でながら私を押す形で保健室へと歩き出した。

「……ごめんね」

小さく呟いたのは、かがみに伝えるつもりだったのか、それとも白羽の矢を立ててきた男子への謝罪だったのか。



薬を貰ったものの、本当は風邪じゃないから薬を飲むのを躊躇い、飲んだフリをしてこっそりポケットに頭痛薬をしまった。
先生にお礼を言い、かがみと一緒に教室に戻るとつかさとみゆきさんが心配してくれていて、二人にも謝る。
その後すぐに昼休みが終わったけど、これで憂鬱な昼休みは終わるかな、と安心していた。
その後すぐ、憂鬱な放課後が残っている事に気付いてため息をつく。
いや、でも、これはやらなきゃいけない事だ。
謝らなきゃいけない事だ。
いつも以上に頭に入ってこなかった残りの授業が終わって、つかさとみゆきさんに用事があると伝え、今まで行った事がなかった教室へ行く。
まだHRが終わってなかったようで、しばらく廊下で待つと担任の先生と生徒がワラワラと出てきた。
その中に、目当ての男子を見つけ、急いで話しかける。
その内容は、謝罪だ。
頼まれた事が遅くなって、ごめん。
伝えたけどダメだった、ごめん。
するとその男子は、そうかぁ……と残念そうに呟いて、気丈のフリか「悪かったな」と笑った。
ようやく抜けたはずの白羽の矢が刺さっていた場所が、最上級に痛む。
笑いかけないで、謝らないで、そんな資格は私にはないんだ。
「じゃあ」と帰っていく、どこか悲しそうな背中に最後にもう一つ謝る。
伝えてないのに伝えたと嘘ついて、ごめん、と。
想いを踏み躙って、ごめん、と。

「こなちゃん」
「ひあっ!?」

そんな風に心の中だけで謝罪しつつ、帰宅する生徒の陰に消えていく男子の背中を見つめていた私は、いつの間にかいた背後のつかさに全く気づいておらず、優しい声色だったのに軽く飛び上がるほど驚いて振り向いた。
声をかけてきたつかさはバツが悪そうに眉をハの字にして笑っている。
それはきっと、驚かせてしまったからと言うわけではなさそうだ。

「……つかさ、聞いてた?」
「……うん。お姉ちゃんからは頭痛だったって聞いたけど、原因は風邪じゃなくて、悩んでたからなんだね」

なぜかつかさが、泣きそうになりながら私を見ている。
つかさはカバンを持ってはいない。
帰るつもりはなく、きっと、ただ私を心配して探しに来てくれたんだろう。
だって、かがみのクラスは逆方向だし、帰宅する時も、トイレの時も、こっち側に来る事はない。
なにも分かっていないのであれば教室に戻ってカバンを取り、後はかがみを待って四人で帰ろうと思った。
でも、意外とつかさが鋭くて、しかもつかさが泣きそうで。
だから、昼休みにかがみと話したように手洗い場まで行って下校する人達の邪魔にならないように端へと移動した。

「さっきの人さ、かがみの事好きだったみたい。それで私に頼んできたんだ。脈アリか調べてほしいって。
その時に断ればよかった。いいよって言っちゃって、なのにかがみに聞こうとするたびに、頭が痛くなってきて……つかさたちにも迷惑かけちゃったね、ごめん」

隣にいるつかさにしか聞こえないぐらいの声で懺悔する。
このぐらいの声量なら、下校時間になりはしゃいでいる人達の声にかき消されて周りにはバレないはずだ。
つかさにはバラしちゃったから、あの人的にはたまったもんじゃないかもしれない。

「私はさ、酷い人間だよね。
人の想いを簡単に踏みにじって、それでちょっと安心しちゃってるんだ。
これで今まで通り、かがみと一緒にいられるって……」
「酷くなんかない」

ビックリするぐらい、つかさが強く言い切った。
やっぱり、つかさは優しい。
私の昔の事なんか知らないつかさは、そんな事ないよと慰めてくれる。
私は本当に酷い人間だ。
その言葉が欲しくて懺悔しておいて、やっぱり気分が晴れることはない。

「確かに相談してきた人には……あれかもしれないけど。
こなちゃんは、こなちゃんの中にお姉ちゃんが好きって気持ちがあるから罪悪感があるんでしよ?
自分の中で大切な感情だから、他の人のその感情を切り捨てちゃった事にそんなに傷ついてる。
誰かを本当に好きじゃないと罪悪感なんて覚えないよ。
……ヤキモチは、人として誰にでもある感情なんだから。
だから、こなちゃんは、自分だけが悪いなんて、自分を責めなくていいんだよ」

ううん、責めないで。
お願いだから、と。

つかさが、私よりも辛そうに。
なぜだか懺悔し、許しを乞うように、泣きそうに言葉を絞り出した。
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