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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説300
『いつものように、息を。』
かがみ×こなた

記念すべき300話!(厳密に言うと違うけど)
なら明るい話しかけよと。
当初みたいに1日1更新出来てたら1年目で300いけてたはずなのに。







私達の「ハッピーエンド」ってあるのかな?

大型ショッピングモール内のクレープ屋で買ったクレープを、近くの休憩用ベンチにこなたと並んで腰掛けてパクついている休日のデート中。
こなたは買ったチョコクレープを両手で持ち、口の端に付いた生クリームを舌で舐めとった後に私に問いかけ、私は頬張ったイチゴクレープをそのままに「ほぬ?」と聞き返した。
私達の今の状況をデート中と表現すると首をかしげる人もいるかもしれないが、デートというものが『付き合っている二人が一緒にどこかへ出かけること』を言うのなら、女性同士と言う問題はあるが私とこなたは間違いなくデート中だ。

いったいどういう意図の質問なのやら、と、考えてみたら、こなたの目線の先には、一般的な家族連れ。
休日なのだから家族サービスとして強制されたのか、はたまた子供が元気すぎるのか。
幼稚園年長ほどの男の子が父親の手を引っ張り、向かいのたい焼きやへ指を差しながら走り出そうとしている。
父親は男の子がこけないようにしっかり手を掴み、苦笑しながらも数歩後ろを歩いている、小さな女の子を抱いた母親を振り向いた。
すると母親は、横顔だからちゃんとした表情は分からないが、想像するに父親と同じく苦笑しながら首を横に振る。
おそらく「買ってあげてもいいかな?」「ダメ」の意味だったのか。
……そんな、一般的な家族の光景を、こなたは見ていた。
少し悲しくて、それ以上にどこに向けていいか分からない腹立たしさが募った。
だから卑怯な質問をする。

「今は幸せじゃないの?」
「まさか。今はもちろん『幸せ』だよ」

こなたは私が望むように、笑って、そう答えた。

「でも、『終わり』が分かんないから」

そうして、私が予想していたように、そう続けた。
予想していたのに返事が出来なかった私を置いて、こなたは少し目を伏せて続ける。

「こうやって一緒に色んなとこ行ったり、隣で変わらずに呼吸が出来るのはいつまでなのかなって」
「……そんな、の」

一生出来る、とすぐには言えない。
ちゃんとした答えを私は知らない。
誰だってそんなの分からない。
それは怖いから考えたくない。
全部が口を吐きかけて、急いで飲み込む。

「確かにこの先の事は大事。でも、世間一般的な『終わり』も分からないでしょ」

卑怯な質問をした後は、卑怯な質問返しをした。

「んー…そりゃそうだけど。ほら、条例とかは出来たけどさ、私たちって周りの人みたいに将来に繋がらないじゃん」

ベビーカーに乗せられて眠る子供を、母親に抱えられている子供と荷物持ちをしている父親を、ゆったりしたスピードで歩くおばあさんと仲睦まじく歩幅を合わせているおじいさんを。
こなたの視線はそう言った周りの人々を、まるでホログラフのような実態がないものを見るような目で見ていた。
視点は確かにあっているし、人の動きに合わせて目も動いている。
なのに遠くを見るような、まるで何も見ていないような、その事実を悲しんでいるかのような。
考えていると呼吸を止めていたことに気がついて、残り数口となったチョコクレープを一口頬張り数回噛んですぐさま嚥下した。
目も開きっぱなしだったのかちょっと痛い。
慌てて瞬きをして瞳を潤す。
普段意識せずに出来ている当たり前の呼吸や瞬きすら、こなたの未来への質問で出来なくなる時がある。
こんな質問は初めてではないからだ。
例えば特番で終活の話が出た時、ドラマで結婚なんかのシーンがあった時、今日みたいに一般的な家族を身近で遠くに感じた時。
こなたはいつも違って静かに息を吐いて質問をして、私はいつもの呼吸が出来なくなる。

「かがくのちからってすげーって時代ではあるけど、SFや漫画みたいに都合のいい技術が私達が生きている間に確立できるかとか、ましてや確立できても使えるかなんて分からないよ。いつまで一緒にいれるって明確に補償してくれるものなんてない」
「それは……誰だってそうでしょ。補償されてたら100%一緒にいれるのなら、結婚後して離婚する人なんか一人もいないわよ」

液体化してきた生クリームとイチゴを口にすると、イチゴの酸味が鼻の奥を刺激して少し泣きそうになった。
今までのは甘かったのに、これだけ酸っぱいとかタイミング合いすぎでしょ。

「そっか、そうだね」
「そうよ」
「……かがみ、なんか声震えてない?」
「……イチゴが酸っぱいのよ」

ふい、と顔を逸らすと「かがみは子供だなあ」といつもの声色。
でも、その声色の時の笑顔が思い浮かばず、八の字に傾いた眉で困ったように、申し訳無さそうに笑うこなたしか思い浮かばなかった。
そんな顔をさせたいんじゃない。
いや、してるかどうか分かんないけど、想像ですらそれは嫌だ。
あの、と視線を戻すと口元にチョコクレープを差し出された。
一時停止した私に、いつも通りの笑顔のこなたが「食べる?甘いよ?」と、一握り分空いていた私の右太ももとこなた自身の左太ももの距離をゼロにしてきた。
スカート越しとは言え、今日は手しか握っていないから手のひら以外でこなたの体温を感じて心臓と口角が反応するのがわかる。

「食べないの?」
「えっと、ほら、そもそも私カロリー少ない方って事でイチゴ選んだし……」

チョコだろうがイチゴだろうがクレープ食ってる時点でカロリー摂取してることに違いはないのだが、そこはそれ。

「えー? かがみとデート中に並んでクレープ食べてる私の『幸せ』を分けてあげようかなって思ったんだけどなー」

ダメかな?なんて首をかしげる。
ああもう、こいつは、本当に……っ!

「……イタダキマス」
「ん」
「……じゃあ、私のも分けるわね」
「うん」

お互いクレープを差し出し、お互いの手に握られているチョコも生クリームも緩くなってしまったそれを齧り合う。

「チョコ甘っ」
「かがみのも甘いじゃん。酸っぱいとか言ってたくせにー」
「それは、たまたまあの時のが……って、あー、また口の端に生クリームつけて」

どっち? と聞く前にこなたが口の左側を舌で舐めたが、残念、右側だ。
私は左手でこなたの右頬に触れて親指でそのクリームを拭い、さて、これをどう処理したものかと頭をフル回転させた。
つい自宅のつもりで行動してしまったが、ここはガッツリ公共の場だ。
自宅や密室で調子に乗っていたらそれこそキスで生クリームを取っていた自信はあるものの、さすがにここでそんな行為は出来ない。
そんな私を知ってか知らずか、こなたは普通に首を動かして私が親指で拭った生クリームを指ごとくわえ、当たり前のように舌で飲めとった。
ビンッ!と手首から肘、肩まで硬直したが公共の場という意識があったために叫ばなかった私を褒めたい。

「あ、あんたねぇ……」
「そこで止まるからだよ。イチゴも美味しいね」
「あーもー……うん、そうね」
「またいつかここにきたら一緒にクレープ食べようね」
「……明日でも、来週でも、来年でも、いつでも一緒に食べるわよ」

それこそクレープじゃなくたって、どんなものだって。
こうやって約束としてじゃなくて、当たり前の日常として私はこなたの隣でいつものように呼吸して、食事をして、生きてきたいんだ。

「ふへへ、毎日だったらかがみ太っちゃうよ?」
「そしたら運動手伝ってくれるでしょ」
「ほっ……ほどほどに」

デパートで話す内容じゃないなとこなたも思ったのか、お互い間を置いた後に残った己のクレープの欠片を口に放り込み、飲み込むと「ふー」と満足げな鼻息。
カバンからテイッシュを取り出しこなたに渡して手を拭いた後になぜか見つめ合ってしまい、一緒に自然と笑みが込み上げた。

「かがみ、次はどこに行こっか?」
「そうねー、服でも見に行く?」

それいいね、なんて立ち上がり、ゴミ捨てに行く短い距離すら手を繋ぐ。


そうして、いつもの様に、私はこなたの隣で息をする。

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