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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説07『私の居場所は』
『チョコ味のキス』の続き



『デート』とは!!

恋人同士が街に繰り出してイチャイチャっぷりを他人に見せ付けるものである!!


と、思っていた。今までは。
まさか、私がその『デート』をするとはまったく思ってもなかったわけで。
……制服着たままの寄り道、しかもゲマ○にだけど、意識が違えばデートなんだろうか?
そもそもデートってなんだろ?
ギャルゲとかでは付き合ってもないのに買い物袋を持った幼馴染を横抱きにして家に帰るってシチュまであるわけだけど、んなこと出来ないし。
正直何をするかなんてよく分かんないけど、ただ一つ言える事は。

普通に並んで歩いているだけなのに無性に恥ずかしいって事かな。
意識しすぎなんだろうけど、ね。

かがみはかがみで緊張しているのか、会話が妙にギクシャクして続かない。
こんなに会話が少ない買い物っていうのも本当珍しい。いや、初めてじゃないかな。

 

「目当てのもの買っちゃったけど……これからどうする?」

店を出て、かがみが持っている買ったばかりの小説をカバンに入れながら訊ねてきた。
どうする?って言われても現実の恋愛初心者の私に的確な答えが出せるわけがない。

「んー……とにかく歩いてみる? 特に行きたいとこもないし」
「……そうね」

冷静を装っているのか、普段通りのつもりなのか。
何の変わりもないように言っているけど、急に早足になって半歩先を歩いてこっちを見ようとしない。
うー、そっちから誘ったのに(まぁ、本当は私からだけど)その対応は結構酷いんじゃないかな。
とは言え「こっち向いてよ」とかムーミン相手に言うようなことを言うのも恥ずかしい。
それってつまりはもっと構ってよって言ってるようなもんだろうし。
視線をキョロキョロさせながら、どうすればいいかなと自分でも驚くぐらいに一生懸命考えていた。
けど、ある一点で視線が定まる。

 


それは半歩先を歩く、かがみの手

何か妙にそわそわしてるように見えるけど、それは自分の気分の所為だろうか。
ゆっくりと手を伸ばしてみる。手を繋ぐぐらいなら……大丈夫だろうし。
別にばれてもいいはずだけど、なぜかばれないようにそっとかがみの手を取ろうとして

「ねぇこなた」
「ぅわっ!?」

いきなり振り向かれて名前を呼ばれた所為で伸ばしていた手を少し引っ込めてしまった。
それでもかがみの手を取ることは出来たのだけど、指先だけを軽く握り締めるという微妙な感じで。
ようやく見ることが出来たかがみの表情は、笑顔から急に真剣な表情になって……

一気に真っ赤になった。

「あ、あの……こな、た?」

もしかして私は「構ってよ」と言う以上に恥ずかしいことをしてしまったのでは?
顔に血が上る感覚がより一層その事を理解させる。
「は」とか「う」とか呟いて言葉を出す練習をした後、何とか思ったことを言葉に出せた。

「て、テとかツナごウっ!」

かなり声が裏返った。
通行人がこっちを見ている気がするのは自意識過剰だと思い込むことにする。
そうでもしないと何も出来そうにない。
かがみはしばらくリモコンでコントロールされてるのかと疑問に思うほど一時停止していたけど、急に私の手をがっしり掴んで走り出した。
慌ててこっちも走り出す。最初はこけそうになったけどスピードではかがみに負けない。
それでも何となく後ろを付いて走っていた。

「ど、どこに行ってんの!?」
「とりあえず走る! ここから逃げる! 周りの目が……っ!」

風になびくツインテールの間から見える耳が真っ赤になっている。
手を繋いで人通りの中を走り抜ける女子高校生二人組っていうのも人目を引いてると思うけど?
でもそれをかがみに伝えることはしなかった。
こういう騒がしいのも私達にはあってる気がするし、繋いでくれた手は熱いけど気持ちよかった。
一体どういう心情の変化だろうとは思うけど、多分これが「好き」って事だろう。
足と同じぐらいに駆け出している心臓の理由は、走っているからというだけじゃきっとない。
自然と頬が緩んでいた。足に力を入れ、軽くジャンプをすると簡単にかがみの隣につけた。
かがみがこっちを見る。なんだ、結局かがみも笑ってるじゃん。
どちらからともなく足の回転数を落とす。未だに手はお互い握り締めたままだった。
何だか立ち止まると一層恥ずかしさが込みあがってきて、お互い笑いながら急いで手を離す。

「……ちょっと休憩するか」
「そだね。走ったから疲れたよ」

う、とかがみが言葉に詰まる。
いや、怒ってるわけじゃないんだって。

偶然だろうけど、立ち止まったのは公園の前だった。
滑り台とブランコだけがある小さな公園。
近くに自販機があったから冷たいスポーツドリンクを買って、二人でブランコに座る。
公園の前の道は人通りが少なくて買い物に向かう途中らしいおばさんが通ったりするぐらいだった。
飲み物は冷たいうちに飲み干したいけど、飲み終わったら公園から出て行かなきゃいけない気がして甘いスポーツドリンクをちびちび飲む。

「かがみはさ」
「ん?」

両手で持っている口が広いキャップ付きのアルミ缶を見つめながら訊ねる。
かがみがこっちを向いたからだろうけど、かがみが乗っているブランコの鎖がキィとなった。
ブランコが揺れる際に発する、懐かしい音。

「何で私を好きになったの?」
「うわ、そりゃまた直球ね……」

コツン、と渇いた音がしてかがみの方のブランコを見る。
キャップを閉めてアルミ缶を地面において、ポーズのつもりなのか古畑みたいに考え込んでいた。
あ、なんかすごい様になってる。
けど、すぐにそのポーズをといてこっちを向いた。

「まぁ、考え込まなくてもいいんだけどね。理由なんて簡単。好きだから好き」

思わず息を呑む。
卑怯だ。絶対かがみは卑怯だよ。笑顔でそういう殺し文句を言うのは卑怯だっ!
学校で感じたお腹のグルグルがまた来て、誤魔化すために慌ててドリンクを飲んだ。
両手で缶を持っていたからか、それともこの暑さからか、若干ぬるくなっていた。

「どういうところが好きかは……そうね、やっぱり一緒に居ると楽しいし飽きないしね。
 マニアックなネタまでは流石に突っ込みきれないけど私以外にあんたの会話についてこれる人はそうそういないって」

ずいぶん自信たっぷりに言うから、からかってやりたいのに認めている自分がいて何も言えない。
ぬるくなってしまっている缶を頬に当てて少しでも熱を冷まそうと努力するも意味はなかった。
どうしたんだろうね、私らしくないなぁと心の中で笑いながら誤魔化してもお腹のグルグルが消えない。
そして私はこのグルグルの意味をもう知ってしまっている。
つまり、私は今こう思っているんだ。

 


かがみとキスしたい―――って

 


たった九文字の思考が胸を掻き毟りたくなるぐらいに恥ずかしい。
学校でのキスのお願いは恋愛感情かどうか確かめるためと言う結構失礼なお願いだったし。
……二回目はかがみの暴走だけど。
一回ぐらいは私から不意打ちして脅かしてもバチは当たらないだろう。

「ねぇかがみ」

ドリンクのキャップを閉めて地面に置きながら訊ねる。
かがみは今度こそポーズじゃなくて本当に両手で鎖を持って考え込んでいた。
つまり、私の呼びかけは聞こえてないらしい。
それが何だか、無性に面白くない。
ムカムカだかモヤモヤだか、あんまり良い気持ちはしない感情がお腹のグルグルより上回っていく。
ゆっくり音を立てないようにブランコを降りて、かがみの背後に回るとそのまま抱きついてやった。

「ふ、ぁっ!? こなた!?」

驚いているかがみの肩に顎を置いて、体重をめいっぱいかけてやる。
二人分の重みでブランコが軋んだ。千切れはしないだろうから容赦はしない。
触れ合っている部分から感じるかがみの体温が、心のモヤモヤを消していく。

「ボーっとしてるバツだよ」
「……バツにならないんだけどねー、これじゃ」

かがみは心底幸せそうに微笑んで、かがみの前に回していた私の手に片手を重ねてきた。
分かってるよ、バツにならないことなんて。
私がこうしたいからしただけなんだから。

「何考えてたの?」
「え?」
「……呼んでも気づいてくれなかった」

真剣に言ってるのに何で笑うかな。
笑った後に「ごめんごめん」と言われても、子ども扱いされてるみたいだよ。

「こなたって……結構寂しがりや?」
「かがみほどじゃないよ。かがみはうさぎだもんね~」
「またそのネタかっ!!」

でも、確かに私も結構寂しがりやなのかもしれない。
かがみの家に遊びに行ってもかがみが居ないとこう……物足りないというか、そう感じるわけだし。

「私はうさぎじゃなくて、病気なのよ」

重ねられた手の平が握りしめられ、体重をかけられる。
お互いに支えあっている感じになった。
「病気?」と聞き返すと、突拍子もなく冗談みたいな病名を口にした。

「病名は……そう、こなた症候群ってところね」
「えーっと、それはだんだんオタクになっていくっていうような病気ですか?」
「あんたそれ自分でいうか……」

呆れたような呟きと、かがみの片手が私の頬に触れてきた。
撫でられているようなゆっくりとした動きで。

「症状は、こなたに触れないと禁断症状がでる……ってことでどう?」
「いや、どう?って言われても……」

にこやかに言われても困る。そもそも禁断症状ってなに?
頬に触れているかがみの手は耳の下へと移動し首筋へと下がってきて、くすぐったさとは違う何かを感じた。
いつの間にかお腹のグルグルが復活している。この感覚にはどうやっても抗えない。
かがみから離れようと思っても、重ねられた手が磁石みたいにくっついて離れなかった。

「一緒に居ると楽しい。こうしてると心臓はすごく脈打ってるのに落ち着く。つまりこなたが一番の薬」

ああもう、本当に今日のかがみは卑怯だ。
ストレートな言い方で誤魔化さないから、かわしきれない。
耳に近いかがみの声が気持ち良い。もっと聞いていたくなる。

きっと私はかがみには勝てないんだ。

「こなた?」

でも、負けっぱなしじゃつまらない。
両手で強くしがみ付いて、いつもツインテールで隠れてる耳に口を近づける。
そしてそっと呟いた。

 

 

「     」


ほんの数文字を、かがみしか居ないのにも関わらず、近くに誰かが居たとしてもかがみにしか聞こえないぐらいの囁きで。
ゆっくり確かめるようにかがみに伝えた。

「なっ……あ、ぁっ!」

さっき散々恥ずかしくなるような告白してきたし、学校ではこれより恥ずかしいことをしてきたのに面白いぐらいに顔をリンゴにした。
お返しだよ、と笑ってやる。
かがみから離れて、自分の分とかがみの分のドリンクを取って公園の入り口まで走り出したところでようやくかがみが動き出した。
ここまで追いつく前に辺りを見回す。うん、誰も居ない。

「こなたっ!」
「いーじゃん、仕返ししたって」
「……あれは仕返しじゃないって」

ぶつぶつ何か言っている。でもまだ仕返しは残ってるんだ。
追いついてきたかがみにドリンクを返す。
「あ、ありがと」と手を伸ばしてきたから、ドリンクを引っ込めてかがみの袖を引っ張った。
そうやって強制的に屈ませて、私はそのまま上を向いて。


仕返しと言うより自分の望みのまま、不意打ちで一瞬だけの重ねるキスをした。


かがみが学校で言っていたように、今回は目を瞑ったからかがみの表情までは見れないけど。
三回目にしてようやく自分からできた。
やっぱりドキドキはするけど……自分からの方がかがみのリアクションが可愛いから問題なし。

「ひっかかった?」

口を押さえて真っ赤になって、かがみが小さく一回頷いた。
ようやく勝てたという達成感と、残ってはいるけどグルグルは収まっていたから満足感が湧いてくる。

「そろそろ帰ろっか!」

自分でも分かるぐらいに上機嫌でかがみに訊ねると、まだ顔は赤いけど優しい笑顔で手を伸ばしてきた。
差し出された手の意味は分かったけど、反応が遅れた。
その理由は……恥ずかしいから言いたくはないけどその笑顔に見とれたからで。

「手、繋ごう。さっきはちゃんと繋げなかったから」
「あ……うん」

指先だけを握って、ついさっきまで重ねていたはずの手に、今度は自分から手を重ねる。
ドリンクを渡してお互いカバンの中に入れると繋いだまま歩き出した。
今こうして隣に居るかがみ。手を繋げるこの位置はとても居心地がよくて。

誰にも渡したくない。この場所は私のものだよ。

そう言う意味を込めて軽く手を握り締めると、同じタイミングで握り締め返された。
お互い言葉にはしないで顔を見あわして笑う。

 


その笑顔が、この手の温もりが、この人が。
私には何物にも変えがたい宝物なんだと、私は心の中で深く頷いた。

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