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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説02『優しいリアリスト』
前作のかがみ視点




告白はこういう場所でしたい、されたいと言う候補はいくつかあった。
でも実際に告白した場所はその候補にあるどころかかすりもしなかった場所だった。
天下の往来。アニメ○ト前。ロマンスの欠片もないことは解っているのに。
二人で一緒に遠出しているという事実で少し浮かれていたのかタイミングを見誤った。
冷静な判断なんて出来ていなかった。
急にいつもの何気ない会話を打ち止めて、歩みも止める。
それに気づいてないのかは解らないけど半歩私より前に出た相手が自ら振り向くより早く。

「私、こなたの事好き」

まるで別の自分が口をコントロールしているかのような感覚すら覚えるほどすらりとその言葉が流れ出た。
冷静なつもりだけど実際は相当混乱しているらしく、
こなたに告白している私を第三者の視点から見ている気すらする。
夢を見ているような、そんな気分。

「ん~、どしたのかがみん。いきなりデレモードなんて」

こなたが振り返って、猫口笑顔で現実的な返しをくれた。
あぁ、夢ではない。
前に見た夢ではこなたはすぐに受け入れてくれた。
起きた後で自己嫌悪に陥ったけど見ている間は幸せな夢だった。

「茶化さないで」

まだ今なら『友達としてよ』とでも言えて誤魔化せたのに。
自分自身がこの想いを茶化されたくなかった。
よほど私は怖い顔をしていたのかもしれない。こなたの笑顔が停止した。
こなたが短い息を吐いて、唾を飲み込んだ。私にはその行動が拒絶の言葉を言う前の儀式に見えて。
自分で爆弾を投下しながら、爆発するのが怖くなった私はまくし立てるかのように早口でもう一度告白した。

「私は真剣に、こなたの事が好き。恋愛感情で」

そんなに大声で言ったつもりもないのに、頭の中にそのセリフだけが響き渡る。
頭蓋骨の中をぶつかって反響しあって。
もはや何て言ったのか次の瞬間には解らなくなった。
こなたは未だに停止状態。
ただ、いつもよりもDVDが入った袋を強く握り締めている気がした。
そんな事、なんで解るんだろうと疑問に思う。

「かがみ……」

名を呼ばれ、視線を握り締められたこなたの手から表情へと戻した。
さっきまでの停止した笑顔から、滅多に見ることが出来ない真剣な表情に変わっていた。
ただ……悲しげに見えて。

「こなたは……私の事嫌い?」
「そ、そんなことはっ」

こなたが慌てて首を横に振る。
でも、私が望む答えではなさそうだ。
それでもいい。拒絶されてないなら、むしろありがたいほど。

「かがみの事は普通に好きだよ。
 でもそれは友達としてで、つかさやみゆきさんに感じる『好き』と一緒だから」


その先に続く言葉を予想して、ショックを軽減させるために目を閉じて心構えをする。


「……だから、恋愛感情でかがみを好きになれない」


ありがとう、こなた。
あんたは真剣に答えてくれた。私の気持ちを茶化さずに。
だから私は泣かないで笑う。
泣いたら責任を感じるでしょ?

「そっ……か」

泣かないと決めた瞬間なのに、声が震えていて驚いた。
目を開けてこなたの表情を見ようとするも、こなたも目を閉じていた。
袋を持つ手が震えているように見えて、困らせて苦しませていることに罪悪感を感じた。
なのに、そこまで自分の事を考えてくれているんだと思うと、
痛みの中にもほんの少しだけ暖かい何かも感じてしまう。

最悪だ、私。

自己嫌悪の思考が車道を走る車の騒音でかき消された。
場所、もっと考えればよかったな。こなたに笑われる。
明確に断られた今ですら、やっぱりこなたの事を考えてしまっている自分がいた。
私は自分が認識している以上にこなたの事を好きらしい。
だから、こなたのためにもこの気持ちは押さえ込めておく。
心配をかけないように笑いながら。

「ごめんね、こなた。いきなりこんなこと言って」
「あ……」

こなたがようやく目を開けて、泣きそうな顔で私を見る。

泣かないでよ、あんたは笑顔の方が似合ってるんだから。

口に出すことが出来ないそのセリフの代わりに、私は必死に取り繕う。
身振り手振りも加えて。
ああ、混乱している。いつもどおりの対応の方がいいかもしれない。
でも……いつもどうやって対応してたっけ。解らない。

「普通そうなるわよねー。当然よ、うん」
「……そんな」
「どうしたの?」

とにかく明るい声を出す。笑顔で対応する。
あれ、笑う時って顔の筋肉どうやって動かすんだっけ?
必死に笑う。多分笑えているはず。
こなたは俯いてしまった。
やっぱり上手く笑えてないのかも。怖い表情になってるのかな。
どうしようも出来なくなって、誤作動を起こしている顔の筋肉をそのままほったらかした。

「……ねぇ、こなた。好きな人はいるの?」

問い掛けにこなたは首を横に振って答えた。
よかった、と思ってしまう。
もしこなたに好きな人がいて、それが私の知っている人だったのなら。
私はその人を恨んでしまいそうだった。
そんな心の狭い自分が嫌になる。自嘲じみた笑いが零れる。

こなたが急に私を見上げた。

「……かがみ、泣かないでよ」
「何言ってんのよ。私は涙なんか流してないわよ」

確かに上手く笑えてはいないだろう。でも泣いてはないはず。
ただ、心配して私を――私だけを見てくれている目の前のこなたがとても愛しくて。
見ていると本当に泣いてしまいそうだった。

「こなた。今までどおり……仲良くしてくれる?」
「当たり前だよ! でも…」

当たり前だと言ってくれた。
これは現実で、夢とは違うのに。
こんな私でも友達でいてくれるのなら、それ以上望まない。
だからあんたは気にしなくていい。

 

 


「私は、こなたの隣にいられたらそれでいいから」


その言葉のすぐ後に、目の前の少女は小さな嗚咽を上げて涙をこぼした。

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