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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説82『言わぬが花』
ひかる→ふゆき

『→』というよりむしろ『&』表記に近い

この二人は別に付き合ってるわけじゃないけど自然と一緒に居る感じ
告白とかはしてないけど相手がどう思ってるかは感じ取ってるような





「桜庭先生、先月貸した本はもう読み終えましたか?」

職員室でカロリーメイトを齧っていると、ふゆきが後ろから声をかけてきた。
回転する椅子なので、カロリーメイトを持ったまま手は使わずに足で机を蹴ってグルリと回転。
小さなお茶のペットボトルを二つ持ったふゆきが「子供みたいな真似をしないでください」とため息をつく。

「反面教師にはなるだろ」
「今ここに生徒はいませんから、反面教師をしなくても構いません」

カロリーメイトをすべて口の中に放り込むと、その手の上にペットボトルを置いてきた。
とても助かる。カロリーメイトは好きだが口の中が乾燥するのが難点だから。
食べ始める前に飲み物を買いに行くべきだろうが寒いので後回しにしていた。
流石ふゆき。さっきまで保健室にいたはずなのに、こっちの行動が筒抜けとは。

「それで、この前の本だったか? えー……心霊写真のやつ、じゃないな」
「それはもう半年前に貸したままです」
「だった。なら、ああ。UFOのやつか」
「ええ。……その反応は読んでないですね?」
「読んでるぞ。三分の一程度は」

オレンジ色のキャップを開けて、口をつけて傾ける。おおう、意外と熱かった。
手で感じる温度と舌で感じる温度が違いすぎるからなぁ、この手の飲み物は。

「火傷してないですよね?」
「失礼だな、ふゆき。そこまでガキじゃない」
「学校でも普段と同じ口調で話している人が何言ってるんですか。ちゃんと『先生』をつけてください」
「別にいいだろう。あれだ。今は確かに学校だが、日常のロスタイムって事で」
「なら、私が学校以外でもロスタイムという事で敬語を使い続けてもいいんですか?」

くそう、切り替えされた。
だがそれでこっちが折れるのも何だか癪だから答えずにお茶を一気に飲み干す。
まだ熱かった。食道を熱い液体が通っていくのが分かる。痛いようなくすぐったいような。
ペットボトルなんだからもっと早く冷えればよかったんだ。熱伝導いいはずだろ。

「UFOのやつはまだ読み終わってないが、他の何冊かは読み終わったぞ。今日取りに来るか?」
「そうします。久しぶりに読み直したい本もありますから」

ふゆきはまだペットボトルを両手で包んで持っている。
手で感じる熱はそんなにないけど、飲むと熱いって事はちゃんと分かっているからだろう。
自販機の飲み物を飲む機会は私の方が多いはずなんだが。
ふゆきの実家じゃお茶を飲むにしたって、名前は絶対に漢字で書けないような有名なお茶が出るし。
確かに美味いのは分かるが、お茶を飲むだけなのになぜ蒸らす必要があるのか分からない。
急須に茶の葉を入れる、お湯入れる、湯飲みに注ぐ、飲むの四段階でいいはずだ。

「部屋、片付いてないけどいいよな?」
「またプラモデルですか?」
「完成したのはいいが置き場所がない。……持って帰るか?」

黙々と作るのが楽しいだけで、出来上がった作品には大して興味がない。
だからと言って捨てる事も出来ずに棚に乱雑に置いてあるプラモだが
作りが雑だったせいか家に帰ってみると壊れてパーツが散らばっていた事がある。
ちょうどふゆきが遊びに来たときだったので、見かねたふゆきがいくつかプラモを持って行ってくれた。
だが、あの純和風の豪邸に飛行機やらスポーツカーやらガンダムやらのプラモが置いてあるのは違和感ありまくりだ。

「船以外のなら持って帰ります」
「そんなに船嫌か。別にそのプラモに乗るわけじゃないだろう」
「桜庭先生が作った船……沈む可能性大ですね」
「100%沈むな」

浸水してくる事間違いなしだ。
ふゆきが『止めてください』とばかりに手を横に振る。
泳げないとは言え……そこまで船嫌いなのか。
学生時代に無理やりふゆきを市民プールに連れて行き、
子供用プールなら大丈夫だろうと引きずり込んだら溺れた事もトラウマになっているかもしれない。
いや、まさかあんな浅い場所で溺れるとは思ってなかった。私でも足が付いていたのに。
それとも助けた後に私が大笑いしたからだろうか。

「ま、今日の帰りに私の家に寄るって事でいいか?」
「はい」

時間を確認するとそろそろ昼休みも終わりそうで話を切り上げる。
そう言えばこいつは昼食をとったんだろうか。お茶だけ持ってるが。

「ふゆき、昼は?」
「食べましたよ。おにぎり一つ」
「……これも食っとけ。持たないぞ」

おにぎり一つじゃ足りないだろうと、白衣のポケットからカロリーメイトを取り出して渡した。
これはスティックタイプだ。ブロックよりは食べやすいだろう。

「桜庭先生にも言えることですよそれは」
「私はいつもこんな感じだ。いいから食え。とにかく食え。取っとけ」

受け取りそうもないので無理やりふゆきの白衣にカロリーメイトを突っ込ませた。
そこまですると無理やり返そうともせずに受け取るふゆき。
素直に受け取っておけばいいんだ。
「ありがとうございます」と礼を言って、ふゆきは職員室を出ていった。
……午後の授業は眠くなる。空いた時間に保健室にサボりに行こう。

 

 


本当にサボりに行き、呆れられたが仕事も終わり帰宅。

「さぁ入れ。狭くて汚い所だが」

玄関の鍵を開けて、正直に家へ招き入れる。
ゴミだらけで足の踏み場もないほどじゃないが、とにかく片付いてはいないのは確かだ。
プラモが散乱してないだけまだ今日は綺麗な方だな。

「桜庭先生、灰皿のタバコはちゃんと捨てましょう」
「あぁ、捨て忘れてた。……と言うか、なぜまだ敬語なんだ?」
「学校のロスタイムです」

まだ昼の話引きずってるのか。
分かったよ。悪かったって。明日はちゃんと先生ってつけるから。

「あ」

ふゆきが私のベッドの周りに散らかる本を見て声をあげる。
散らばっているのはほとんどふゆきから借りた本だ。
本棚にちゃんと片付けているのもあるが……主にオカルト、ホラー系。ふゆきの趣味だ。
私自身の本というのはそんなにない。

「これも貸したままでしたね」
「みたいだな」

本当はちゃんと把握している。
いつ、どこで、何の本を借りたか。
それなりに私だって記憶力はある。

「ちゃんと読んでますか?」
「それなりに」

違う。借りたその日にちゃんと読み終わってるさ。
でもいいじゃないか、読んでても、読んでなくても、ここに置いていたって。
ふゆきの物が部屋にあるってだけで、それを見るだけで妙な満足感が胸に沸くんだから。


そんなこと、ふゆきは知らないだろうし、知るはずもないけれど。

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