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気ままに【らき☆すた】【けいおん!】【GA 芸術科アートデザインクラス】の自作小説を書いてます。同人的要素、百合的要素を含みます。苦手な方、嫌悪感を抱く方は見ないことをお勧めします。この中にある小説のいくつかは らき☆すたエロパロスレ または らき☆すた つかさ×こなたに萌えるスレに投下した作品です。
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らき☆すた小説01『報われない現実』
かがみ→こなた




「私、こなたの事好き」
「ん~、どしたのかがみん。いきなりデレモードなんて」
「茶化さないで」

重い。
非常に重いその一言が私の顔の筋肉を微妙な笑顔のままフリーズさせた。
空気と視線と口調で、それが一般的に友達として言うものとは違うのだと――理解した。
理解したけど、それがすぐに納得に繋がるのではなくて。
「は……っ」と意味もなく喉から空気が漏れる。
嫌に口の中が渇いている気がして唾を飲んだ。
ザ・ワールドでもあるまいし、なんだろうこの空気、空間。
かがみの視線で影を地面に縫い付けられてるかのように動けない。
おそらく両の指で足りるぐらいの秒数でしかなかっただろうけど、
体感時間で言えば数分を越えていた気がする。

「私は真剣に、こなたの事が好き。恋愛感情で」

頭が無意識にそのセリフを録音し、何度も再生する。意味を反復する。
呆然としているはずなのに、
買ったばかりのDVDが入った袋をしっかりと握り締めている自分がいた。

 

かがみが私を恋愛感情で好き?

 

一体なぜ?
いや、『好きになるのに理由なんていらない』とゲームで聞いた気はする。というか聞いた。
でも頭の中をwhy?がBダッシュで駆け巡る。
思わずその定型句を否定してしまう。好きになるのに理由はいるんじゃない……かな?
現実でもフラグうんぬんとか言うけど、それはやっぱりゲームの中だけだと頭でしっかり理解している。
『苺混乱』とか『聖母様が見てる』とかも知っているしハマった時期もあるけど、
あれはアニメで自分とは何も関係がないから見ているだけで楽しめる娯楽。
だけど現実にそういう人達がいるというのも知っているし、その人達を否定するつもりもない。
ないけど……私が当事者になるとしたら別。

 


私に同性属性はない。

 

 「かがみ……」

沈黙が苦しくて、意味もないけど目の前の人物の名を呼ぶ。
真剣に私を見ている少女の目。つり目の瞳は不安からか若干潤んでいるように見える。
少し震えて、何も持っていない手を強く握り締めていて。
そんな私の友達の事はもちろん好きなのだけど―――恋愛感情ではありえなくて。

「こなたは……私の事嫌い?」
「そ、そんなことはっ」

嫌いではない。あるはずがない。
だけどかがみが望むような言葉を私は言えない。
本心にない言葉を、真剣な言葉を求めている相手にどうして言えようか。

「かがみの事は普通に好きだよ。
 でもそれは友達としてで、つかさやみゆきさんに感じる『好き』と一緒だから」

一気に肺の空気を言葉と一緒に吐き出す。
目の前のかがみの顔を見るのが怖くて、私は目を瞑り。
ゆっくりと息を吸って

「……だから、恋愛感情でかがみを好きになれない」

自分でも驚くほど平坦な声を、肺に吸い込んだ生ぬるい空気とともに吐き出した。

「そっ……か」

かがみの声が鼓膜を震わす。それに続いて車道を走る車のアクセル音も。
ああ、あまりの出来事で忘れてたけど、ここアニ○イトの前だよ。普通に通行人いるよ。
もうちょっと場所考えようよかがみん。
この重苦しい空気を紛らわすために、口には出来ないので頭の中でツッコミをいれる。
今かがみはどんな表情をしているんだろう。目を開けて確かめるのが怖い。
だからと言ってずっと目を瞑ったままでいるわけにもいかずにゆっくりと目を開ける。

「ごめんね、こなた。いきなりこんなこと言って」
「あ……」

かがみは笑っていた。

やけに大げさに手で頭を押さえながら。
まるでパフォーマンスのように笑う。

「普通そうなるわよねー。当然よ、うん」
「……そんな」
「どうしたの?」

 

お願いだから。
そんな風に、泣きながら笑わないでよ。

 

無責任かもしれない。私が断ったから泣いてるんだから、このお願いは確実に無責任だ。
断ったのも事実だし、恋愛感情で見ることが出来ないのも事実だし、私が泣かせたも同然だけど。
かがみの涙を見ると呼吸の仕方を忘れるぐらい胸が痛い。
目頭の辺りに何かが込みあがってくるのを感じた。
でも、かがみを泣かせた私には泣く資格がない気がして無理やり押し込める。

「……ねぇ、こなた。好きな人はいるの?」

問い掛けに首を横に振って答える。
そもそも恋愛感情ってどんな感情を言うんだろうか。
お父さんはお母さんの事を話す時に、優しそうな、幸せそうな表情をする。
考えただけでそう表情になるようなそんな人は私にはいない。
かがみやつかさやみゆきさん。お父さんやゆーちゃんやゆい姉さん。
みんなの事を考えると確かに楽しいけれど、それとは違う気がして。

かがみがいう『好き』とは違う気がして。
それでも私にとってはそれがすべてで。

叶わないと解っていても、いつか疎遠になると分かっていても。
ずっと今みたいにバカな事をして笑いあっていれる関係が続けばいいと思っていたのに。

「……かがみ、泣かないでよ」
「何言ってんのよ。私は涙なんか流してないわよ」

私の残酷なお願いに、かがみは笑う。
通行人から見れば泣いてないだろう。
でも私には涙が見える。泣いて見える。
きっとつかさにも、みゆきさんにも涙は見えるはず。

「こなた。今までどおり……仲良くしてくれる?」
「当たり前だよ! でも…」

私にとってそれは拒否するはずもない、むしろ望むもの。
だけどかがみは……今までどおりが嫌だったから告白したのなら。
それでいいの?『今までどおり』でいいの?

私が言葉に出来なかったこの思考すらかがみにはお見通しだったのか。
本当に優しく微笑んで。


いつもの私なら、『お~、かがみんがデレモードだ!』と一日中茶化す事が出来そうな笑顔で。
本当に……なんで私はかがみの事を恋愛感情で好きになれないんだろうと
疑問に思ってしまうような、笑顔で。

 


「私は、こなたの隣にいられたらそれでいいから」


その言葉で、私の涙腺は完璧に決壊した。

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